世界遺産の山を歩く 山楽部

2013/06/16

富士山の渋滞あれこれ (2012/8/4~8/5)

今回は8/4~5にかけてのツアーガイド。
僕の受け持っているツアー行程は静岡・富士宮口五合目から登って、
下山は山梨側・河口湖口五合目に下るという行程がほとんどです。
吉田口でもツアーガイドをしていますが、静岡側のオープンとともにガイド山域も移ります。

前日のツアー参加者を無事五合目へ送り届けた後すぐに、次のツアーガイドへと向かうこともしばしば。
五合目に滞在できるのは約一時間ほどで、すぐに次のツアーの集合場所へ向かいます。
えーっと折り返しで次は吉田口に登ります。

10時過ぎに“前”ツアーのみなさんとお別れをし、しばし放心体力回復タイム。
11時15分にはみなさん石畳広場に集合されているので、頭も顔もスイッチを入れ替えて合流。
全然苦にならないのは適職&天職なんだろうなと、無理矢理自分に納得させているから?(笑)

数時間前に下ってきた下山道を脇に見ながら、ふと我に返るとそこはもう七合目(笑)

山梨側から見る景色も大好きなので、静岡山梨交互に登ると本当に毎回新鮮です。
関西発のツアー参加者のみなさんだったので、本八合目までは関西のノリであっという間でした。

そこから続き、ものすごくカットします。
昨晩(8/3~8/4)は結局一睡もしていなかったのもあり、江戸屋では爆睡させてもらいました…。

そしていきなりの山頂直下です(笑)
別の日に撮影した写真ですが、山頂で御来光を見たい方が夜間に山頂を目指す列はこんな感じになります。

足元も暗いので、どうしても登るペースが遅くなってしまい、
登山道自体もだんだん狭くなっていくのもあり、渋滞が起こりやすくなります。

午前3時半、登る背中には御来光の準備をしている東の空。
『疲れたな…』と感じた時は無理せずに、山側登山道脇へ寄って休憩しましょう。
吉田口は山頂御来光にこだわらなくても、どこからも御来光が拝めます。
無理して登り詰めるのは、体力面でも良くない上、時に他の登山者へ迷惑をかけてしまうことに繋がります。

眼下の山中湖はまだ朝靄に包まれたままです。
大気の状態も良かったので、相模湾の海岸線・三浦半島も一望。

吉田口山頂の久須志神社前には最前列を確保した登山者の姿でびっしりです。

分単位で明るくなる東の空。

山中湖の朝靄も晴れてきて、湖面が水鏡になってきました。

さぁ、もう山頂の鳥居は目の前。
最後の最後、一番の頑張りどころです。
中には山頂を目前にしたとたんに気が緩んでしまう方もチラホラ。

幸い僕のツアーは誰も欠けること無く、全員無事に登頂。
久須志神社の横で綺麗な御来光を拝めました。

狛犬が見守るなか、山頂に辿り着いた方々。

明るくなっても登ってくる人の勢いは途絶えません。

ここまで頑張って登ってきたみなさんお疲れ様でした。

本当にお疲れ様でした。

でもね、気を抜かないで下さい…。

下山もあるんですよ(ニヤ)

吉田口は登山道と下山道が分かれています。

どうですか?
マスクは必須でしょ?

晴れた日に登る方はマスク必須です。
無ければタオルとかでも口と鼻を塞げますが、息苦しいです(笑)
なので、富士山に登る時はマスクを忘れずに。

マスクで口と鼻を塞いでも目の下が真っ黒になりますが…。

下山道を下って行くと、吉田口と須走口の分岐点に落ち合います。
八合目の下江戸屋さんがちょうど分岐点になるので、道標を見ながら間違いなきよう。
ガイド中は耳にタコができるほど、この分岐点の注意をします。
登頂している身体、眠気に包まれた身体で下山をしていると、やはりボーっとしてしまいます。
そんな時にどこの誰か知らない前の人に無意識について行くと…あぁ。
迷子・ルート間違いが頻繁に起こる要注意ポイントです。

それにしても、この渋滞…
下江戸屋さんの前の道幅が少し狭い為、ゆっくり行かざるをえないんです。
なので、押し合い圧し合いになりますが、何卒穏やかな気持で通過しましょう。

う、う、うわぁぁぁぁ!

陽が昇ると一気に気温も上がり、下山して標高を下げれば下げるほど気温も高くなります。
汗を滲ませながら、前回書いたつけ麺を思い出しながら河口湖を眺めます…。
あぁ、早く下りてつけ麺食べたい…と。

少しレタッチしましたが、山中湖の湖面に青空が映えてとても綺麗でした。
このクジラの形をした山中湖は、一周約14kmもあります。

七合目まで下りてくると、斜面づたいに雲が湧き上がってきました。
下界の景色は見えなくなりますが、一気に涼しくなります。

それにしても、つけ麺食べたい。
一心不乱に心の中で『つけ麺食べたい』を唱えながらも、ちゃんとお客さんを見逃さないように五合目へ向かいました。


(6/15現在)世界遺産に登録される前提として、議論の対象っ只中の登山渋滞。
地獄の釜に向かう亡者のごとく、一心不乱に山頂を目指すだけが富士登山ではありません。

何も山頂で御来光を見ないといけない決まりはなく、かつては九合目で御来迎をした史実もあるように、山頂御来光はツアー会社間で格差を生むために作られたにすぎません。

渋滞もさることながら、登山道からはみ出てしまったため、落石を招いてしまい、
下の登山道を登っている登山者に直撃、大怪我を負わせてしまうことも頻繁にあります。

日本の高みを目指して登ることは本来素晴らしいことです。
一般社会に通念マナーがあるように、山に登ることにもマナーがあります。
そして、そのマナーや決まり事から逸脱すると必ず事故が起こります。
それは自分の身にも起こり得ることですし、他人に怪我を負わせてしまうこともあり得るのです。

ガイドは登山を開始するにあたって、皆さんに守っていただきたい幾つかの注意お願いをします。
僕はその中でも、被害者にならないように注意を払うことと、さらには加害者側にならないように固くお願いしています。
富士山では比較的足場が安定した登山道から逸れたりすると、すぐに落石を引き起こしてしまい、面白半分で悪ふざけをしていると必ず誰かに迷惑が掛かります。
山で楽しむことは一切咎めませんが、山に対してふざけるといったことに対しては僕もそこそこに怒りますし、何より人間としての底の浅さを露呈しているようなもんです。

富士山に限らず、どこの山でも色んなことに思い遣りや気配りを持って登ってもらえたらより多くの恩恵を山は与えてくれる気がします。

やっべ、真面目か。


★『富士山の登山渋滞、遠巻きでいいから見てみたい…』と思われた方にコマーシャルです
今年も僕主催で富士山のプライベートツアーを開催します
興味のある方はご検討してみてください

【第1弾】 8/31(土)~9/1(日)
http://miztrek.blogspot.jp/2013/06/fujitrek-20131-83191.html
(Facebookイベントページ)
https://www.facebook.com/events/489744697763857/

【第2弾】 9/7(土)~9/8(日)
http://miztrek.blogspot.jp/2013/06/trekfujitrek-1-83191-httpswww.html
(Facebookイベントページ)
https://www.facebook.com/events/424800014302773/


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1 件のコメント:

  1. 御来光の写真を娘に転送させて頂きました(^-^)/
    "綺麗やな〜‼" との返信をもらいました
    あいにく今日7月21日は雲がかかっていて、ボヤけた御来光で残念でした。リタイヤしたので、
    9合を降りた所から見ていました 掲載されている写真はどれもとても綺麗で、改めてあんな景色の一部を、実際に見て来れた事に感動しています。

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