2012/05/11

天川・弥山遭難の憶測と整理

今年のGWも各地で多くの方が各地の山に登り、沢山のいい思い出を作られたかと思います。
一方で北アルプスでの遭難のニュースが駆け巡り、明日は我が身と痛切に思い知らされています。
そして、未だ解決していない遭難があります…。

どこも見渡す限り北アルプスの遭難の記事ですが、5月に入ってからも当ブログには
沢山の方が検索で辿り着かれた足跡がありまので、今一度僕の伝え得る情報を纏めたいと思います。

4/25から今日で16日が経過しましたが、未だに弥山を最後に行方不明になっている西岡保さん。
現状では僕が最後にコンタクトした人間です。
覚えている事が鮮明なうちに、地図上にて整理及び憶測を記しました。
御家族にも提供した同じ画像です

4/25、行者還トンネル西口に駐車し、12:50に登山口を出発。
道中10数人の下山されてきた方と擦れ違いましたが、登りは僕だけ。
聖宝八丁ですれ違った若い男女を話した時は『上に三人くらいおられますよ』との事。
『あぁ今晩は一人じゃなかった』と一安心したのを覚えています。

弥山の山頂に着いたのは15:40過ぎ。
その時に弥山山頂のテン場で設営されていたのは二組。
一組はご夫婦、もう一方が西岡さん。
いつもであれば単独同士なので、『どのルートから登ってこられたのですか?』『明日はどちらへ?』等の山の上では極ありふれた会話をしていたはずなのですが、天候の話程度だけでした。
二組とも設営に掛かられて間なしだったので、僕も遠慮気味だったことを覚えています。

この時のわずかなやり取りの記憶は鮮明です。
大凡の年齢、体格、着用していた服の色、テントの色、テントの外に脱いだ靴の色、…。

僕は夜通し撮影する予定でしたので、今回は幕営せずに冬季小屋を使わせてもらっていました。
荷物を下ろし、一息ついた後に天川弁財天の奥宮へお参りに行きました。
10分程して小屋へ戻ってくると、ドアの前から小屋中を覗いていた人が一人、それが西岡さんでした。
『ドアを閉めろ』『小屋の横でう◯こするな』の貼り紙が目に入ったのでしょう…。

そこで確認した服装は紺色のミドルレイヤー、黄土色のズボン、黒と黄色っぽい登山靴。
御家族からの情報と、当日狼平ですれ違った方との情報と一致します。

その後夕陽の撮影にと小屋を出ると、小屋前にもう一組のご夫婦が夕陽の写真を撮られていました。
小屋前の鳥居付近で撮られてたので、『少し上がると展望が開けますよ』とお誘いし、
夕陽が沈むまで世間話をしていました。(翌朝7:15過ぎにも、ご夫婦とは挨拶を交わしています)

21時過ぎ、試撮影に外に出ると、ヘッデンの光。
おそらく用を足されていたのでしょう。
黄緑のテントに戻られたのを確認しています。

僕は天の川が南に立つ1時頃まで小屋内で読書をしていました。
夜通し撮影し、御来光まで眠れないのが弥山での通例です。
そして朝5時過ぎに、国見八方覗きで御来光を待ちます。
西岡さんのテント横を通る時、テント内に光源と影が見えたので、おそらく起床されていました。
5時半過ぎまで国見八方覗で撮影し、小屋に戻る時にはまだテントはありました。

小屋に戻り朝食を食べ、機材を片づけパッキングすると7時。
小屋から出るとテントはご夫婦のテントが一張だけになっていました。
『早いなぁ~、もう出はったんか』と頭の中で言ってたような感じです。
(後に耳にしたご夫婦からの情報では7時頃にテントを撤収して出られたとの事)

川合ルートで登られてきたと踏んでいたので、八経ヶ岳に登頂後川合へ下られるのだなと思うのは
この山では極自然なことです。
僕も奥宮に撮影の御礼と下山の無事お願いし、7:15に八経ヶ岳へ向かいます。

仮に西岡さんが7時に八経へ向かったとしても、15分差で追いかけたならば山頂でミートするはず。
4/25当時は一つ目の鹿侵入防止扉から山頂までは所々に根雪。
踏み抜き必至なので、テン泊装備ではサクサク登れなかったと思います。

ここで、いつもならすることのない行動を僕はしています。
当日のGPSのログですが、八経ヶ岳へ向かう途中、登山道から逸れて稜線の方へ向かっています…。

何が気になったのかは自分でもわかりませんが、古今の宿手前から東へルートを外しています…。
すぐに登山道へは戻ったのですが、今思えば不可解不自然です…。

八経ヶ岳山頂に着いたのが8:00。
山頂には僕一人、そこに西岡さんの姿はありませんでした。
となると、ピーク手前で擦れ違わなかったので八経ヶ岳から弥山へ戻った可能性はゼロ。
先の明星ヶ岳方面へと進んでいる事が有力になります。
明星ヶ岳からは弥山辻を経て、狼平手前の高崎横手へと下ったのかな。
そちらへの周回も川合ルート登山者の主たる行程となっているので、可能性は大いにあります。
初めての弥山・八経ヶ岳とお聞きしたので、地図上の算段で尾根筋を一本間違えて進んだのかな…。
というのが地図上に記した足跡マークの箇所です。

僕は8:30頃まで八経ヶ岳山頂に居ましたが、その間に登ってこられた方は一人。
特徴は一致しないので、この方ではありません。
(狼平泊かな。二回目の登頂と仰ってた)

9:05に弥山へ登り返した時は、弥山小屋も4/28開業の段取りで数人の気配。
先日、小屋番の西岡さんと情報交換したところ、この時もう一組のご夫婦は確認していたそうです。

それから下山の途についても、先に下る人間は一人もおらず。
結局11:10にトンネル西口へ着きましたが、誰も追い越さず。
これだけで下山されたとするルートは絞りこまれてしまいます。

警察も何回かヘリを飛ばして捜索しているし、この時期はまだ新芽も目立たないので、
上空からであれば発見しやすいかと思います。
当日朝は6℃だったので、モンベルのアウター(グリーン系)は羽織ってらっしゃったはず。
もう、色んな辻褄が合わんのです。

5/5にたまたま洞川にて、元山岳救助隊の隊長をされていた方と話す機会がありました。
やはり考え得るところは警察も捜索しているはずだし、『弥山の遭難はなんで?』っていう事が多々あると…。
時に遭難には『なんで?』が付き物ですが、当事者だけが知り得る事があると思います。
我々の憶測や推測が及ばない何かがその時にあったのでしょう。
北アルプスでの多重遭難も当たり前の観点からすると『なんで?』と思うことが多々ありますが、
やはり当事者にしかわからなかった事が殆どを占めているのでしょう。
後に軽装じゃなかったことも確認されたことですし…。

警察の捜索は打ち切られた今、捜索する人は御家族・親類以外いないそうです。
僕も微力ながらお手伝いしたいので、今週末(多分5/11~12)で思い当たる場所を捜索する予定です。
何分大峰山系は山深く、広範囲の捜索になりますので、近くの山に登られる方がおられましたら、
登山道から自身のご安全を確保された上で、1mでも2mでも登山道脇に目を配っていただけると幸いです。(※昨年も弥山で遭難・亡くなられた方は、登山道から20mのところにおられました)


そして、明日は我が身。
単独でも複数でも山に入る以上、リスクは常にあることを今一度噛み締めて…。
長くなりましたが、記憶のままに書きなぐったのでどうか乱文乱筆お許し下さい。

最後に5/5に御家族が行者環トンネル西口登山口へ設置された捜索情報提供案内を掲載しておきます。







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6 件のコメント:

  1. はじめまして。明日、行者還トンネル西側から弥山・八経で登ります。気を配って出来る範囲で、注意深く見てみます。先週は双門の滝かた狼平へ登りました。西岡さんがこのコースを下山に使われていなければ良いのですが・・・

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    1. 追記、河原小屋は豪雨のために喪失していました。河原小屋より暫くは、山の斜面をトラバース(踏み跡ごくわずか・テープマークは全くなし)が必要です。河原小屋の少し先で、左側の沢に迷い込む可能性大(踏跡あり)これからのシーズン、大峰山系でこれ以上遭難事故が増えないことを祈ります。

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    2. ありがとうございます。
      僕も明日9時頃より御家族の方とトンネル西口から登る予定をしています。
      できる範囲内で観て頂けると幸いです。

      さすがにテン泊装備、初めての弥山・八経では狼から双門へ下るには考えづらいですが、
      その可能性も排除できないのが山での遭難ですね。
      河原小屋過ぎの左の沢はそのままの感覚で結構入られる方もいますしねぇ…。

      自分の愛でる山で、遭難や事故が起こると胸が張り裂けそうに辛いです。
      ましてや、自分の話した方がそうなると…。

      削除
  2. 初めまして。西岡さんはまだ見つかりませんか。3週間を過ぎようとしています。ご家族の方は非常に心配されている事と思います。依然一緒に仕事をさせてもらいお世話になったものです。
    山のことは全然知りませんが、同姓同名の人では、まさかと信じられない気持ちでブログを拝見させて頂いておりました。今は早く見つかる事だけを祈っています。山に登られる方々が心配して探して頂けているようで、ご家族の方がたには非常に心強い味方でしょう。
    見つかりました。という文字がいつ出てくるか、今か今かと待っています。

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  3. はじめまして。
    http://kivarn.blog83.fc2.com/blog-entry-1073.html
    上記のブログの異臭は、西岡さんではないでしょうか?

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  4. ここは本当に危険です。
    登山道から気が付いたら外れていました。
    最後は道なき道を谷を目指して何とか夕方までに下山できましたが。
    この経験は私だけでないはずです

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