世界遺産の山を歩く 山楽部

2013/04/30

オフのガイドのとある一日 (2012/7/17)

唐突ですが、我々ガイドは下の世界にいる時はこんなことあんなことして過ごしてます。
※我々というか、近しい数名だけ

今回は非常に大切な余暇の様子を、チラッとお見せします。

まずは、朝イチ午前6時から河口湖畔に集合。
この日は河口湖大橋から東側の湖畔をノルディックウォーキング。

ピーカンでございます。

こうやって眺める富士山には、何千人という登山者がいます。
丁度みんな御来光を見てから一生懸命下山している頃かな。

その後は近くのコインランドリーでお洗濯。
下山してきた度に、河口湖や富士吉田周辺のコインランドリーで洗濯をします。


いつもはそのまま乾燥機に放り込むのですが、この日は何を思ったのか夏空に誘われるように、
鳴沢村の活き活き広場へやって参りました。


大きな地図で見る



それにしてもこの日は富士山綺麗ですね。
富士山に雲は掛かっているものの、頭上は真っ青。 快晴です。


えぇ、こういうことがしたかったんです。



もちろん裸足で駆けまわってですね、
パンツも込み込みで敷き詰めております。


干している間はフリーダムスリーピングです。
夏の間は基本的に疲れているので、どこでも寝れます。


平和だわ。


一時間半くらいで洗濯物は乾きます。
その頃にはゲートボラー達もお開きになっていたので、芝生独占です。







えーっと、オフの日はこんなことしながら英気を養っております。

たまには寝転んで空を見ないと、自分が何者か忘れてしまいますから。





あ、あの、毎回こんなことしてるわけじゃないので、何卒誤解なさらぬようお願い申し上げます。

( ・`д・´)<今年もする予定!


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2013/04/28

富士山で男性滑落 富士宮口

昨年のGWに引き続き、今年も遭難事故が多発しています。

つい先日も奈良県の方が吉田口で滑落死亡。
歳も近いし、同じ県内の方なので、特に遺憾に思います。

【富士山で男性滑落死】(2013.4.24 20:15)

山梨県の富士山で23日、登山者が滑落して死亡し、富士吉田署は24日、遺体の身元が奈良県大和郡山市矢田町、無職山本豊さん(37)と判明したと明らかにした。

 同署によると23日午後3時ごろ、8合目付近で休憩していた登山者グループが斜面の上方から滑落してきた山本さんを発見、110番した。県警ヘリコプターで救助したが全身を強く打っており、死亡が確認された。
山本さんは1人で入山し、登頂後に下山中だったとみられる。



八合目付近で確認されているので、多分こんな感じだったと思います。
※動画は上記の件と関係ありません。吉田口九合目付近で撮影された別のものです。

下山に入った瞬間に滑ってますね。
まず雪訓こなしてても、瞬間的にピッケル刺さらないくらいの氷面。
七合目あたりまで一気に到達してしまう、日本一長い滑り台になりますよ。

そして、昨日は富士宮で滑落の報。


 27日午前10時5分ごろ、富士山の山頂に近い静岡県の富士宮口登山道で、登山中の男性1人が滑落したと別の登山者から110番通報があった。

 富士宮署によると、男性は9・5合目付近から500メートルほど滑落し、安否がわからないという。県警がヘリコプターなどで救助に向かった。


【富士山で男性滑落、遭難か 富士宮口登山道】(2013/4/27 16:18)

 27日午前10時5分ごろ、富士山の富士宮口登山道9・5合目付近で、登山していた東京都の男性(32)から「男性が500メートルほど滑落した」と110番があった。県警は遭難した可能性もあるとみて捜索している。富士宮口登山道は雪が残っていて閉鎖が続いている。


【富士山で男性滑落、遭難か 静岡、閉鎖中の登山道】

 27日午前10時5分ごろ、静岡県・富士山の富士宮口登山道9・5合目付近で、登山していた東京都の男性(32)から「男性が500メートルほど滑落した」と110番があった。静岡県警は遭難した可能性もあるとみて捜索している。

 富士宮口登山道は雪が残っているため閉鎖中だった。
 富士宮署によると、通報した男性が声をかけると、滑落した男性は手を振っていたが、その後、姿が見えなくなったという。同日午前、ヘリコプターで捜索したが見つからなかったため、山岳遭難救助隊員が現地に向かっている。


仮にも九合五勺“付近”から500mも滑落した登山者を目視することなんてまず無理。
ましてや、手を振ってるなんて双眼鏡でもなければわかるわけない。

僕らも九合五勺から双眼鏡で登山者を見ることもあるけど、
本当に双眼鏡を覗かなければ、男女の違いはもちろん大人子供の区別すらつかない。

この500メートルが、標高差の滑落なのか、斜面の滑落長なのか。

ということで位置関係から考察してみました。
写真は1月末に水ヶ塚から撮影した富士宮口

図でわかるように、9.5合目から滑落したとします。
写真下部で指した8合目まででも約350mの標高差があります。
当該者は登山中か下山中かはわからないけど、富士宮で登る際は山小屋筋か、右側の雪渓を使用します。下山も自分のトレースが残っていればそこから。
積雪と浮石の加減により多少ルートを左右に振ることはあるけど、今朝の富士山の写真を見る限りは雪渓を使っておられたのかな。

こちらは少し引いた画。
標高差500m滑ったとしたら、この赤色で塗ったゾーンが、大凡の範囲内になります。
もっとカチカチだったら宝永火口へ向けて一直線の滑り台に。

九合五勺・胸突山荘前から撮り下ろした富士山の斜面です。
下に見える屋根は九合目万年雪山荘。
矢印で指し示したところは万年雪山荘より約100m程の位置にある鳥居跡。
そこを通り掛かる人は点です。

と、ここで続報。


[静岡]富士山で「男性滑落」 登山者が通報

 二十七日午前十時五分ごろ、富士山の富士宮口登山道の九・五合目(標高約三千六百メートル)で、登山者から「男性が滑落した」と一一〇番通報があった。富士宮署などの山岳遭難救助隊や県警航空隊が捜索したが見つからず、同午後五時半ごろ、いったん打ち切った。
 同署によると、登山者が目撃した男性はスキー板を背負い、約五百メートル滑り落ちていったという。登山者の呼び掛けに一度返答があった後、行方が分からなくなった。

 ヘリによる捜索では山腹でスキー板一枚とアイゼンを発見。救助隊は、登山道に続く雪上に足跡を見つけたが途中で切れていたという。富士宮署は、男性が自力で下山した可能性もあるとみている。


赤字の部分が新しい情報ですね。
ツッコミどころとしては、標高差500mだった場合、下へ声張り上げて呼び掛けても聞こえません。
僕は山でFOX40という大音量ホイッスルを使っています。
昨年ルートから外れた登山者が落石の巣へ突っ込んだのを発見した際に思いっ切り吹き込んで注意したことありますが、聞こえてなかったというオチがつくくらい聞こえません(笑)

FOX 40(フォックス40) ソニックブラストCMG マルチ オレンジ/ブラック 笛 ホイッスル

どの辺りの山腹か不明ですが、板とアイゼン置いて命鹹がら歩きはじめた時にキャトルミューティレーションされたということでしょうか?(笑)

500m滑落して無事だった装備を知りたいし、滑った瞬間に運良くシリセード状態になりながらアイゼンでブレーキかけながら滑り長500mかけて減速できたか。
こんな感じでまだ止まれるだけマシ…


どちらにせよ滑落後に動けたのなら『九十九死に一生を得た』レベルです。
生きてたら凄いけど、あまり褒められることでないのは確かです。
県警のヘリも飛ばして、山岳救助隊まで向かわせて、こういう言い方嫌ですけど、静岡の方の税金で賄われているものです。

厳冬期の富士山に挑んでも登頂できる確率は限りなく低いです。
低いということは只ならぬリスクの塊ということ。
山でよく言われる『自己責任』で完結できるなんて幻想ですよ。
家族を筆頭に誰かしらに迷惑はかかるものです。
遭難した方の御家族を何人も見てきましたから…。

ちなみに僕は過去に厳冬期富士山で20mほど滑落したことあります。
某山小屋の屋根へスライドして漂着しました。
『ところでおまえ、滑落したことあんのかよ!?』って言われる前にカミングアウトしとかないと。
こ、こ、怖かったよ~((((;゚Д゚))))


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吊るし雲を堪能 (2012/7/16)

前回で更新した昨年7/16。
http://miztrek.blogspot.jp/2013/04/201271516.html

河口湖の五合目からはツアーバスに乗せてもらい、下界へ。
スバルラインの一番下で下ろしてもらい、同級生ともここででお別れ。

3日ぶりの下の世界。
夕方まで寝ました。

仲間のガイドが帰ってきたので、目をこすりながら起きると

『外!吊るしやばいよ!』

慌ててカメラを持って車に駆け込み、ガイドみんなを乗せて出動。

デカいし綺麗!

薄っすら星も浮かんできまして、吉田口の山小屋も煌めいてきました。
しかし、これ、スーパーセルみたい…

下は、五合目・佐藤小屋と星観荘
上は、八合五勺・御来光館


山に居る時は、さほど思わないのですが、
いざ下から見上げると凄いところです。

日本で一番高いところがあそこなんだから。
そんなところで仕事させてもらえるなんて、つくづく幸せだなと思います。



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2013/04/26

富士山頂からアレが見えた (2012/7/15~16)

前回から引き続いて、俗に言う『連チャン』というやつです。
五合目へ戻り、ツアーのお客様をバスまで送り届け、お別れの挨拶をした後
五合目のレストハウスへダッシュ。
もう次のツアーは到着済。

【前回】富士宮口オープン(2012/7/14~15)

この日のツアーで来てくれた同級生一行とも目配せし、妙に恥ずかしい空気(笑)
小一時間は休憩できそうだったので、しばらく歓談。

集合した時点では、まだ雨はパラパラしているものの、何とか登れそう。
ただ、いつ降ってきてもいいようにレインウェアで出発。
六合目の少し手前、歩き方や呼吸法、高山病の予防について説明してます。


天候が回復して欲しいという願いむなしく、結局この後雨が降り出しました。
なので、山小屋に着くまで写真撮れてません。
二日連続でこの天候、僕は慣れていますが、ツアーのみなさんには少し申し訳ない気持ち。
やっぱり登るのは雨風のない晴れた日に限るからです。

なんとか無事に山小屋へ到着。
そして、温かいカレーをみんなでいただきます。


7月と言えども、太陽が沈んだ後の富士山の気温は一桁。
金剛杖の焼印の辺りはほんのり暖かいので、冷えた足には快適暖房。


晩御飯も食べ終えて、20時の消灯後外に出ると天気は回復傾向。
星空も覗いてきたので、明朝は御来光見れそうな予感。


翌朝は午前二時半起床、出発は午前三時。
胸突山荘から富士宮口の山頂鳥居までは、順調に行って小一時間で行ける距離。
富士山山頂の剣ヶ峰までは一時間少々で着いてしまうという、“好立地”なのです。

山頂部にくるとなかなかの強風。


この風では剣ヶ峰は難しいな…ということで、頂上浅間大社奥宮前で御来光を待ちます。
でも、こんな感じ(笑)

ガス晴れるかな…

おっ、晴れてきた

御来光が昇る前の僅かな瞬間、後ろを見ると影富士が出ていました。(わかるかな?写真左)
剣ヶ峰もほのかなピンク色に染まって綺麗。


そして昇ってきました、幻想的な滲み御来光。
前日(7/15)は見れなかったので、僕も感慨ひとしお。


富士登山のために練習登山を積み重ねてきた同級生達も万々歳。


さて、今回の表題の山頂からアレが見えた、そのアレ。
ドレ?山中湖?

違う違う

江ノ島?

違う違う


この方向、都内です


少し寄ると…さぁ、わかった人!?


はい、ドーン!スッカイツリー様!
はるかむこうに太平洋が見えてるのもレア。


画角的にはこんな感じです。
がんばってズームしてようやく撮れるレベルなので、スカイツリーでさえ肉眼で見えていても
10人中6人がわかる程度です。


ゲートブリッジの向こう、方位的にはディズニーリゾート?
もうひとつ向こうに見える朝霞に巻かれたビル群は千葉市内あたりかな?


横浜市内の向こうには風の塔~海ほたるから延びる東京湾アクアライン。
房総半島の向こう、九十九里から太平洋が見える。


こちら山中湖。
遊覧船の「白鳥の湖」も“点”でございます。


こちらは河口湖。
左下の登山者の比較も面白いなと思って撮りました。
御坂山塊から向こうは甲府盆地、見事に雲で蓋されております。


あれは…どこの山?
富士山から見ると奥秩父の最遠部にも見えるけど…どこ??


お鉢巡りをしながら、あーでもないこーでもないと言いながら恒例の集合写真。
剣ヶ峰をバックに撮った後、いよいよ下山開始。


今回のツアーは静岡・富士宮口から山梨・河口湖口へ越境するコースなので、
下山道は吉田ルートへと下山していきます。


晴れていれば下界へ飛び込んで行けそうな下山道。
この辺は本当に気持ちいい。


本八合目まで下りてくると、雪の壁。


何層にも降り積もった経過がよくわかります。
結局この塊は融けながらも、シーズン最後まで残って見事万年雪化しました(笑)


六合目手前まで下りてくると、快晴。


下山道と登山道分岐まで来ると、山頂部は超快晴!


7/14から7/16まで連チャンましたが、これをこなしていくといつの間にか身体が富士山仕様になっていくので、7月初旬~中旬に多少無理してでも連続で登ることが必要。
よく一生に一回の富士登山と言われますが、ガイドには一日に二回の富士登山は当たり前の世界。
全く嫌じゃないからできるけど、普通に考えると理解し難いと思います(笑)

苦労をかき消すような体験が待っているので、苦しいことがあってもすぐに上書きできるというか、
富士山にいるとすべてがポジティブに作用してくるのって、やはりパワースポットだからなのかな?


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