世界遺産の山を歩く 山楽部

2011/06/11

弥山⇒八経ヶ岳 5-19,20【その5】

前回はコチラ

結局歴代最長の五編纂してしまいました(;´∀`)
それくらい考えさせられる事が多かった山行だったんですね。

最後に凄まじく言いにくい問題。
弥山の山頂にあるトイレについて。

綺麗なトイレでしょ?

山に設営されるトイレは綺麗に保とうと思えば思うほど維持費が掛かります。
地上の街中にある下水処理が施されたトイレとは構造も様式も変わってきます。
維持するコスト、清掃するコスト、屎尿を運搬するコスト。
周辺環境へのリスク、世界文化遺産的観点からのトイレの設置、、、等々。

触れたくないけど触れないとトイレに関しては何もかもが立ち行かなくなるので触れます。

このトイレは使用する際に【一人 一回 100円】のチップ制で賄われています。
山中に設置されているトイレの殆どにこの様な行があるかと思います。

弥山の山頂トイレに限っては利用者分の4割しか回収てきていないのが現状だそうです。
このトイレを建てるのには環境省、即ち国が建設費を出し、その後は天川村が維持管理していくということで建てられたのですが、弥山の登山者数から割り出した維持管理費は年間300万近くになるそうです。
年間に数万人が登る近畿の屋根はトイレが出来る前にはかなりの環境負荷があったと想像できます。

何が言いたいかというと、『100円くらい払いましょう』ということなんです。

弥山小屋管理人の西岡さんとトイレの使用について話を聞いたのは、
先に述べた利用者の4割程度の協力金、お金は入っているが一円玉・五円玉・十円玉…。
百円玉以外の小銭を入れた人は『( ^▽^)100円分もしてないから量に応じて』とかそんなノリ??
まだ入れるだけ救いはあるかな…と思うけどやっぱり入れるべきなんだと思う。

富士山でガイドをしていると大抵の人に聞かれるのがトイレの問題。
『富士山のトイレは一回200円掛かりまーす』と五合目で説明すれば、殆どの人が『Σ(゚Д゚;エーッ!  』と驚く。
『何回するかわからないけど小銭は100円玉で10枚は持ってたらいいですよ』と付け加えると、
殆どの人が急いで五合園や雲上閣へと小銭へ崩しに行く(笑)

ちなみに富士山の各ルートにある殆どのトイレ前にはお金回収のお兄ちゃんが居る。
登山者は用を足すときに確実に200円徴収されるシステムになっている。
(小屋宿泊客はトイレ代は無料)
富士山のトイレも維持管理には莫大な経費が掛かり、やむなしに協力金を回収せねばならない。
国費で建てたトイレにはあくまで『協力金』として利用者の呵責に任せられる。

ここで話は弥山小屋のトイレに戻って、あのトイレの前で一日中張り付いて確実に100円を徴収すれば4割回収どころか10割、利用者からの徴収は100%履行される。
が、弥山小屋を維持管理・運営するのに実地一人では無理な話なんです。
そこは登山者の良心・良識に任せるしかないんですね。
この山を愛でて登ってくれる方には何も難しいことを要求していないんです。
『あぁ綺麗な山やな』と思った方はまたいつか来ようと思うことでしょう。
そのまたいつか来た時に『やっぱり綺麗な山やなぁ』と言える為のお金なんですね。


何も無理な話ではないと思うんです。
トイレ前に貼ってあるトイレの協力金の呼びかけです。(クリックすると拡大)

もうすぐ弥山~八経ヶ岳にはオオヤマレンゲが咲く季節がやってきます。
恐らく弥山~八経ヶ岳には一年で一番多くの方が登られるシーズンです。
万が一このブログを見られた方で運良く(笑)トイレを使用される方は100円、100円でいいんです。
トイレ前のボックスにチャリンと入れてもらえると大変ありがいです。

この手の問題の外輪だけ書きましたが、まだまだ多岐にわたり根は深いです。
環境問題や登山道の問題、歴史的背景と観光化のアンマッチ。
決して大々的に観光地化する必要は無いと思うだけにさじ加減がね…。


本編に戻ると、この日の下りは思いのほか速く聖宝八丁を下れたので、
聖宝の宿でゴミ拾いをしてきました。
(理源太子の銅像のあるところらへんです)

10分弱でコンビニの袋が瞬く間に一杯になりました。
内訳はお菓子の袋、弁当のガラ、ナイロン袋、空き瓶、空き缶、ティッシュ、ナプキン…。
もうひとつ最悪なのが、う○こ!
さすがに拾うような趣味はないので放置せざるを得なかったが、
聖宝の宿に着いてザックを下ろすあの岩と岩の間です…。
でーっかいハエが集ってるなとマジマジみると落ち葉に隠されたう○こ。
(さすがにもうほとんど分解されてるとは思うけど)

ヽ(`Д´)ノどこのアホやねん!

拾ったゴミをザックに括りつけ左右のバランスを崩しながら下りの徒につきました。
奥駈出合から小坪谷方面へ下りましたが、見上げた空は真っ青。
目の前にはしなのき出合辺りの稜線~行者還岳~大普賢

小一時間下ると…



冷たい水でザバっと顔を洗うと何もかもが洗われる気がします。
三角橋のたもとで少し休憩し、一路5分でトンネル前へ。

この辺りも萌黄色・山吹色などの新緑が綺麗で立ち止まって見上げてしまいます。


で、駐車場へ到着

向かいの峰のバリゴヤと稲村・大日も新緑が眩しい

見上げると弥山・聖宝谷

川迫川も御覧の通りです

帰りはほぼ貸切状態の洞川温泉に入って帰りました。

実りも多かったけど、同じだけ課題も突きつけられたような今回の山行。
また折を見て書けたらなと思います。
((;´∀`)…最後の方すんごい端折って駆け足で走りぬけたけど)


さて来月の一日はいよいよ富士山の開山です。
ようやく富士山ネタが語れそうなので毎日更新できればなと思います。
関西でも数人の富士山ガイド、奈良県ではただ一人なのでそちら目線で書けたらなと思います。

今シーズン富士山に登る、登りたいとお考えの方おられましたら、
些細なことからプランまで疑問がございましたら遠慮なくメールorコメント入れて下さい!


↓ランキングサイトに参加しています
お手数ですがクリックして頂ければありがたいです
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

4 件のコメント:

  1. 弥山にはまだ1回しか登ってませんが、確かに立派なトイレでした。
    山歩きの最中、ほとんどトイレを必要としない体質なので(日帰りだし)、その時も使わなかったのですが、トイレを気持ちよく使いたいのなら100円は安いと思います。
    みんな、ちゃんと払ってほしいですね^^
    山で見かけるゴミは、飴の袋とか多いような気がします。見かけたら拾うように心がけます!(。-`ω´-)ぅぃ

    返信削除
  2. 世界遺産に登録され、訪れる人も以前とは比べ物にならないほどなんでしょうね。
    確かに山の上にあれだけの立派なトイレはありがたいことです。
    でも維持管理のことを考えると、100円はしっかりと払いたいものですね。

    返信削除
  3. 桜色の鹿。さん>
    コメントありがとうございます^^
    100円で気持ち良く使用できるのであれば安いですよね。
    公衆でも無法地帯なトイレは幾らでもありますし…。
    一人でも意識をして頂くとベクトルは必ず快方に向きます。
    飴ちゃんの袋一つ拾っていただけるだけで、単純に“ゴミ”は一つ減りますもんね(* ^ー゚)

    返信削除
  4. tekapoさん>
    コメントありがとうございます^^
    あの辺りの年間集積登山者数は万人規模ですもんね…。
    世界遺産と百名山の相乗で、環境負荷それはもう凄いらしいです。それを言い出すと山に登れなくなってしまいますね(汗)
    環境の維持ということでは、我々登山者も寄与できるものが少なからずあるはずなんですが…たかが100円されど100円が現実のようです。

    返信削除

コメントいただけると嬉しいです^^;