世界遺産の山を歩く 山楽部

2013/03/02

休みの日も富士山へ(2012/7/4)

荒天で終わった学校登山の次の日は、終日フリー!
さすがに富士山に登った翌日は一日中ゴロゴロ過ごすと思ったでしょ?
忘れてませんか?我々はある意味富士山バカの集まりです(笑)
もちろん、休日も富士山で過ごします。

この日は親分さんが宝永山(富士山の南側斜面)で自然解説&ハイクガイドをしているのもあって、
仲間ガイドと宝永山でランチでもしようと富士宮の五合目へ向かいました。

東富士五湖道路に乗ると快晴の青空。
しかし、篭坂トンネルを出たところでホワイトアウト。
雲の中に入ってしまいました。
富士山スカイラインに入っても真っ白。
『せっかく来たけどこりゃ、今日はダメかもね…』と思いきや、
三合目で雲を突き抜け快晴ゾーンに突入。

五合目まで来ると、下界とは別世界です。

宝永山のハイキングに来ている小学生たち。
上は晴れててよかったねー!

五合目でのんびり富士山を見上げ、雲海を堪能しながらびっくりハウスで撮ってみました。

さて、登り始めると普段より一層抜ける青空。
外国の方が登ってると富士山に感じないのは思い込みと錯覚。

空荷で富士山に居ることも少ないので、本当に肩の荷を下ろして楽しそう。
飲み物等があったので、一人(自称富士山の清掃員の方)だけ荷物持ち用意しました(笑)

ガイド中通り抜けるところでは、振り返って雲海を堪能。
外界の天気は“くもり”です。

六合目まで来ると、はるか向こうの宝永山の外輪に親分さん一行発見。
しまった、向こうは第二火口から分岐し林間~五合目へ戻るため合流できず。

でも、『遊びにおいでよ』感覚なので、僕たちはこのまま遊びます。
いつもお世話になっている六合目の雲海荘と宝永山荘に挨拶をした後に宝永山へ。
六合目から周遊コースに入ると10分もしないうちに火口の縁へ来れます。

この宝永火口こそが、富士山で一番“最新”の火口になります。
直径は約一キロあります。

江戸時代の中期、1707年(宝永4年)の12月16日にドカーンと爆発的な噴火をしました。
新幹線から富士山を見ると東側が盛り上がっているところです。
水ヶ塚から見た富士山と宝永火口


まぁこれだけ大きな火口が開いたということは、総噴出量は約7×108 m3と推定。

この時吹き上げた噴煙や火山灰は江戸に降灰、富士山麓には高温の軽石が降下し、
田畑や家屋を焼き尽くしたという史実があります。

この噴火の発端となったのが49日前に起きた宝永地震と呼ばれる大地震。
南海トラフのほぼ全域にわたって断層破壊が発生。
近い将来、東海・東南海・南海トラフのどこか破断すれば間違い無く富士山は火を吹きます。
個人的にはそれまでにどこかしらで富士山は噴火すると思ってます。

この日は、その宝永火口のグランド・ゼロ(爆心地)にて、言っておきます、“勉強会”です。
何回も言っておきます。ガイドの学術的な勉強会です。
もう一回言っておきます。ガイドスキルを上げるための勉強会です。

大きい声では言えませんが、あまり率先して入らないで下さい(汗)
それっぽいことを言うと、落石も頻繁に起こりますし何より危ないところです。
でも、なかなか見れない光景ですので写真でご堪能下さい。

僕は若干含蓄があるので、地質的な説明をした後降下スコリアを手に取る仲間ガイド(汗)

最終的にここで水蒸気爆発が起こり、宝永噴火は終焉したということになっています。


現在の火口底はこんな感じで、火星から送られてきた探査機の映像にも見えなくもない。
褐色のそれはそれは荒涼とした場所です。

上の写真では小さく見える岩石も…スコリア丘から撮影。
寝そべってるのは我々です。
やはり、寝転んで目を閉じながら噴火時を想像すると、我々人間の及ばない地球の力が感じられて背中から体全身ゾワゾワします。
あれだけの噴火をしたグランド・ゼロですから何かしらのパワーは未だにあると思います。

この火口、見事にすり鉢状になっているので、寝転んでいると速効で焼けます。
繰り返します。速効で焼けます。

この快晴下では紫外線量も地上の約3倍。
顔が真っ赤っ赤になる前に“勉強会”は終了。

時間に追われることなく富士山でのひと時を過ごすことほど幸せなことはありません。
この辺りでも2500Mの標高なので、もちろん雲の上です。

そして、なぜか信号機よろしくなバンザイポーズをキメちゃう四人。
えぇ、はい、ガイドさん達です。

もし宝永山に行かれる場合がございましたら、大自然のパワーに圧倒されるもヨシ、
第一火口から第三火口まで頭のなかで噴火を再現して楽しむもヨシ、
最後には、ハイキングの代名詞である『ヤッホ!』で〆て五合目にお戻り下さい。

音 量 注 意 !



すれ違った方に教えてもらいました。
『ヤッホー!』と伸ばすのではなく、『ヤッホ!』と切るとやまびこさんも機嫌よく返してくれるそうです。叫びたくなった方は遠慮せずに暖かくなったら山へ向かって下さい。

三十半ばになると写真みながらでも思い出すのは必死です。
でもシーズン中は更新したくても更新できないんです…(言い訳やな)



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