世界遺産の山を歩く 山楽部

2010/07/19

この度、富士山に呼ばれまして。【その3】

いよいよ、富士山完結編。
三部作を完結させないと他にも色々とストックされてる記事が書けやしない・・。


話の続きは深夜の山頂アタックのところからです。
山頂への出発時間は午前2時30分。
7月6日の日の出時刻(東京)は午前4時23分。
約2時間掛けて最後の急登を攻め込むわけです。
夏の間のピーク、お盆休みの長蛇の列には足元にも及びませんが、
それなりに数珠繋ぎで登ります。

練り歩く登山者のヘッデンです。


眼下の樹海に掛かっていた雲もいつしか晴れてました。
山中湖の姿もはっきりと。
更に東側には丹沢山系の山稜も。


ご覧の通り東の空は刻一刻と白んできてるので、内心焦る焦る。
『間に合うかなぁ・・・これ』と、思ってしまうもんなんですね。
正直8合目の方が綺麗に見えると思います。
でも、ここまで来たからには日本一高いところから日の出を見てみたい。
という日本人の美意識を局地的に集約させた集合体なわけです。




9合目の迎久須志神社の鳥居。
ここで、高度約3600m。
後150m少々あるが、東の空はさっきより白んでしまった。
もう頂上からの御来光はムリっぽい。
9合5勺で潔く御来光を待ちたい気分になるが、今日は団体行動。
どんな結果になろうとも、それもそれなのです。


どこかで見た事のある眺めでしょ?
家に帰ってきてこのアングルの写真どこかでみたことあるなって・・・。
これね、小岩井大輔さんの写真集と似た構図でした。
自分で撮って言うのもアレですけど、やっぱいいですねw
Mt.3776 富士山頂の世界


話は戻って9合5勺過ぎ、山頂を見上げる。
『(;`∀´) ガ、ガスーッ!下りてきてる!しかも結構巻きが早いよ』の図。


一瞬にして視界が遮られちゃいましたねー。
ここから頂上までは一面白色です。
高度を上げてもご来光は期待できないでしょう。


そうこう歩くこと20数分。
Star Walkを起動し、地平線の太陽の位置を確認。
この時刻4時26分。


(;´∀`)・・・もう出ちゃってるんですけど


そしてガスの中、頭を垂れて10分少々、無事山頂到着。
(厳密には富士山山頂3,776メートルは剣が峰の頂上を指す)


もうね、当たり前なんだけど人人人人人。
やっとの思いで人を掻き分け、東側最前列に三脚を設置。
山頂は一瞬(2,3秒)ガスが抜けるが、東側へ抜ける為どうしてもスクリーニングされる。


こんな感じで焦らされ焦らされ焦らされ捲くり。


AAにて端的に表現させて頂きましたが、周囲にはまさにこれらの感情が渦巻いている。


『うわぁ~!』


『( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━』


『コネ━━━━(゚д゚;)━━━━!!』


『(´・ω・`)ガッカリ・・・』


『 ヽ(`д´;)/  うおおおお!?』


『ヽ(`Д´)ノモウコネエヨ!!』


『(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)』




そりゃここまで登ってくる人の95%がここからの御来光目当てであるからして、
それはそれは致し方ないのであります。
すったもんだの挙句山頂から撮れた御来光はこのショットのみでした。




再びガスに巻かれた登山道を下りる。




『あぁ、御来光見れなかったなぁ』感に支配される下山民。


ところがそれを一瞬にして吹き飛ばすサプライズの幕開けの予感・・・。


Σ(゚д`*;)アッ,アハァ?・・・


Σ(*゚Д`;)ア…ア…アッハァァァァァァァァ?!!


どうですか、この眺めは・・・。


今だから言えますが、この写真を撮りながら私、泣きました。










思えば、こういう朝焼けが好きで高校生の時に祖父から貰ったカメラで写真を撮り始めました。


小さい時から絵を描くのが得意だと思ってきたけど、高校生になったあたりから突然描けなくなってしまったのです。
選択科目でも美術を選択したが、一向に思ってるようなものが描けない。
多感な年頃になり、感性表現のスイッチが切り替わってしまったんでしょう。
大袈裟な話なんですけどね(;・∀・)


そして大人になり、ある程度の収入を得るようになってデジタルカメラを買いました。
今は本格的に一眼を駆使し、趣味として写真を撮り続けています。


・・・これが撮りたかったんです。


山に登るのもこの風景が見たいからという気持ちが根底にあるんでしょうね。
自分が見た一瞬をカメラという道具で切り取るんです。
自分の感性が渇望していたタイミングを迎えるとやっぱ出ますね、涙。
( ;谷)す、すいませんね、私事で。





では話を本筋に戻して、山中湖を数枚。
2枚目にはアレが写ってますね。






何度見ても飽きのこない下界をしっとり包む雲海。
たまりませんな。


結局最後は団体行動を乱しまくってしまい、最後に江戸屋へ帰還。
みなさん朝食の最中ですんごく焦る!
朝食食べて着替えないといけないのを計算してなかった。


そして下山。
通常の下山道は積雪の為使用できないので登山道を下る。
登ってくる人と擦れ違いながらゆっくり下りる。
ここ数年には得られることが無かった“急ぐ理由”のない時間。


時に立ち止まって自分の下りて来た道を振り返る。


街と空の間にいる非日常感。


見下ろせば樹海が綺麗に見渡せる。
あら、中学生の団体が登ってきた。
あるクラスの生徒が『おはようございます!』と共にタッチを求めてきてた。
・・・それから何十人と続く挨拶とタッチ。
中には『気をつけてください!』『ご苦労様です!』と至高のコミュニケーション。
自分の年齢の半分以上下の世代に、こんなに溌剌としたパワーを貰える事にびっくりした。


途中から通常の下山道を使えることになったので、のんびりと下りることができた。


こうして2010年度の富士山登り初めは幕を閉じたのであります。


『人生観変わりましたか?』


毎度聞かれることですが、そんな簡単に変わるわけないです。
これくらいで変われれば、もっと楽に生きられますよw


三部作余りに長くなってしまったので。読んで下さった方もしんどかったと思います。
これからもダラダラ長文レポ続けていきますのでご勘弁をw




※最後にご報告です。
今シーズンから登山案内人に推薦して頂きました。
強力デビューできそうです。
この夏に富士山登る方!どこかでお会いできますように~ヽ(´ι _`  )ノ





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