世界遺産の山を歩く 山楽部

2012/05/23

金環日食が生み出してくれたもの

正確に計算し尽くされた二つの天体が“偶然”交差する瞬間。
『この位置でこの時間にここに立って空を見あげれば』誰でも見れる。
偶然を装った必然の交わり、重なった瞬間は僅かにして、そして離れていく…。
気づいていないだけで、人の出会いも同じようなものなのでしょう。
世の中には決して偶然なんかないんだ。
僕らが生きている時間は限られたもの。
重なってるその僅かな時間を大切に感じないといけないね…。
その時間に渡しそこねた指輪は一旦空に返しました。

そんなこんな事を頭の中で考えていたら、ようやく自分自身納得できるものが生まれました。
金環日食の微速度動画。

いつも目の上のタンコブだったチラツキも程々に抑え込み、色相も変えてようやく出来上がりました。
ここ数年作りたかった物がようやく自分なりの形にできたので、今日は軽い燃え尽き症候群です(笑)

21日の日食は沢山の方が望遠画角で撮影されていますので、ここは少し視点を変えてみて
『どんなふうに暗くなっていくのか?』を主眼に撮影してみました。

Full HDでUploadしてあるので、余裕のある方は画面下[チャンネルの品質]をHDにし、
視聴なさってください。※動画の初期設定は360pになっています
大きいサイズのほうが食の進んでいく太陽が小さいけどはっきりと見えます [3:40頃~最大食]


【*Annular Solar Eclipse* in Japan 2012 Timelapse】


【撮影機材】
SONY α550 
TOKINA AT-X 116 PRO DX 11-16mm F2.8 (αマウント)
エツミ E-6318 タイマーリモートスイッチ S1 (SONY/コニミノ用)

【撮影データ】
11mm 1/500 F20 ISO200 x 10,224枚

2012/5/21 AM6:02~AM8:53


そして何よりもこの作品に必要だった起承転結の“結”には、今の僕に多大な影響を与えて下さった
mockmoonさんの【Nature Time Lapse Ⅱ theme】を使用させて戴きました。
4年前…初めてこの映像を見た時泣きました。


この方の作品に出会っていなければ、ここまで星の写真や山の写真に傾倒していなかっただろうと思います。真っ暗な山の中で星景撮影、mockさんの曲のお陰で怖さなんてなくなるんです。
『撮りたい!』っていう想いが勝ってきて、漆黒の森の中にも入って行けてしまうという(笑)
山で見た風景・情景をいくら一枚で撮影しても、自分では納得していない事が多くて
この一瞬一瞬を切り取って伝えたい!と思った術が微速度撮影(Timelapse)でした。

まだまだまだまだ足元にすら及びませんが、ようやくスタートできたかな?というところが
今の正直な感想です。
僕にとっては一番感慨深い楽曲の使用を快諾して下さったmockmoonさん、
本当にありがとうございます。


(YoutubeのVIDEO AWARDS JAPANを何度も受賞されており、ソフトバンクのCMにも映像が使用されているような雲の上の方です)
http://mockmoon.sblo.jp/
http://www.youtube.com/user/mockmoon2000
http://soundcloud.com/mockmoon2000


(;^ω^)写真のほうは今から現像始めます。。。

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2012/05/11

天川・弥山遭難の憶測と整理

今年のGWも各地で多くの方が各地の山に登り、沢山のいい思い出を作られたかと思います。
一方で北アルプスでの遭難のニュースが駆け巡り、明日は我が身と痛切に思い知らされています。
そして、未だ解決していない遭難があります…。

どこも見渡す限り北アルプスの遭難の記事ですが、5月に入ってからも当ブログには
沢山の方が検索で辿り着かれた足跡がありまので、今一度僕の伝え得る情報を纏めたいと思います。

4/25から今日で16日が経過しましたが、未だに弥山を最後に行方不明になっている西岡保さん。
現状では僕が最後にコンタクトした人間です。
覚えている事が鮮明なうちに、地図上にて整理及び憶測を記しました。
御家族にも提供した同じ画像です

4/25、行者還トンネル西口に駐車し、12:50に登山口を出発。
道中10数人の下山されてきた方と擦れ違いましたが、登りは僕だけ。
聖宝八丁ですれ違った若い男女を話した時は『上に三人くらいおられますよ』との事。
『あぁ今晩は一人じゃなかった』と一安心したのを覚えています。

弥山の山頂に着いたのは15:40過ぎ。
その時に弥山山頂のテン場で設営されていたのは二組。
一組はご夫婦、もう一方が西岡さん。
いつもであれば単独同士なので、『どのルートから登ってこられたのですか?』『明日はどちらへ?』等の山の上では極ありふれた会話をしていたはずなのですが、天候の話程度だけでした。
二組とも設営に掛かられて間なしだったので、僕も遠慮気味だったことを覚えています。

この時のわずかなやり取りの記憶は鮮明です。
大凡の年齢、体格、着用していた服の色、テントの色、テントの外に脱いだ靴の色、…。

僕は夜通し撮影する予定でしたので、今回は幕営せずに冬季小屋を使わせてもらっていました。
荷物を下ろし、一息ついた後に天川弁財天の奥宮へお参りに行きました。
10分程して小屋へ戻ってくると、ドアの前から小屋中を覗いていた人が一人、それが西岡さんでした。
『ドアを閉めろ』『小屋の横でう◯こするな』の貼り紙が目に入ったのでしょう…。

そこで確認した服装は紺色のミドルレイヤー、黄土色のズボン、黒と黄色っぽい登山靴。
御家族からの情報と、当日狼平ですれ違った方との情報と一致します。

その後夕陽の撮影にと小屋を出ると、小屋前にもう一組のご夫婦が夕陽の写真を撮られていました。
小屋前の鳥居付近で撮られてたので、『少し上がると展望が開けますよ』とお誘いし、
夕陽が沈むまで世間話をしていました。(翌朝7:15過ぎにも、ご夫婦とは挨拶を交わしています)

21時過ぎ、試撮影に外に出ると、ヘッデンの光。
おそらく用を足されていたのでしょう。
黄緑のテントに戻られたのを確認しています。

僕は天の川が南に立つ1時頃まで小屋内で読書をしていました。
夜通し撮影し、御来光まで眠れないのが弥山での通例です。
そして朝5時過ぎに、国見八方覗きで御来光を待ちます。
西岡さんのテント横を通る時、テント内に光源と影が見えたので、おそらく起床されていました。
5時半過ぎまで国見八方覗で撮影し、小屋に戻る時にはまだテントはありました。

小屋に戻り朝食を食べ、機材を片づけパッキングすると7時。
小屋から出るとテントはご夫婦のテントが一張だけになっていました。
『早いなぁ~、もう出はったんか』と頭の中で言ってたような感じです。
(後に耳にしたご夫婦からの情報では7時頃にテントを撤収して出られたとの事)

川合ルートで登られてきたと踏んでいたので、八経ヶ岳に登頂後川合へ下られるのだなと思うのは
この山では極自然なことです。
僕も奥宮に撮影の御礼と下山の無事お願いし、7:15に八経ヶ岳へ向かいます。

仮に西岡さんが7時に八経へ向かったとしても、15分差で追いかけたならば山頂でミートするはず。
4/25当時は一つ目の鹿侵入防止扉から山頂までは所々に根雪。
踏み抜き必至なので、テン泊装備ではサクサク登れなかったと思います。

ここで、いつもならすることのない行動を僕はしています。
当日のGPSのログですが、八経ヶ岳へ向かう途中、登山道から逸れて稜線の方へ向かっています…。

何が気になったのかは自分でもわかりませんが、古今の宿手前から東へルートを外しています…。
すぐに登山道へは戻ったのですが、今思えば不可解不自然です…。

八経ヶ岳山頂に着いたのが8:00。
山頂には僕一人、そこに西岡さんの姿はありませんでした。
となると、ピーク手前で擦れ違わなかったので八経ヶ岳から弥山へ戻った可能性はゼロ。
先の明星ヶ岳方面へと進んでいる事が有力になります。
明星ヶ岳からは弥山辻を経て、狼平手前の高崎横手へと下ったのかな。
そちらへの周回も川合ルート登山者の主たる行程となっているので、可能性は大いにあります。
初めての弥山・八経ヶ岳とお聞きしたので、地図上の算段で尾根筋を一本間違えて進んだのかな…。
というのが地図上に記した足跡マークの箇所です。

僕は8:30頃まで八経ヶ岳山頂に居ましたが、その間に登ってこられた方は一人。
特徴は一致しないので、この方ではありません。
(狼平泊かな。二回目の登頂と仰ってた)

9:05に弥山へ登り返した時は、弥山小屋も4/28開業の段取りで数人の気配。
先日、小屋番の西岡さんと情報交換したところ、この時もう一組のご夫婦は確認していたそうです。

それから下山の途についても、先に下る人間は一人もおらず。
結局11:10にトンネル西口へ着きましたが、誰も追い越さず。
これだけで下山されたとするルートは絞りこまれてしまいます。

警察も何回かヘリを飛ばして捜索しているし、この時期はまだ新芽も目立たないので、
上空からであれば発見しやすいかと思います。
当日朝は6℃だったので、モンベルのアウター(グリーン系)は羽織ってらっしゃったはず。
もう、色んな辻褄が合わんのです。

5/5にたまたま洞川にて、元山岳救助隊の隊長をされていた方と話す機会がありました。
やはり考え得るところは警察も捜索しているはずだし、『弥山の遭難はなんで?』っていう事が多々あると…。
時に遭難には『なんで?』が付き物ですが、当事者だけが知り得る事があると思います。
我々の憶測や推測が及ばない何かがその時にあったのでしょう。
北アルプスでの多重遭難も当たり前の観点からすると『なんで?』と思うことが多々ありますが、
やはり当事者にしかわからなかった事が殆どを占めているのでしょう。
後に軽装じゃなかったことも確認されたことですし…。

警察の捜索は打ち切られた今、捜索する人は御家族・親類以外いないそうです。
僕も微力ながらお手伝いしたいので、今週末(多分5/11~12)で思い当たる場所を捜索する予定です。
何分大峰山系は山深く、広範囲の捜索になりますので、近くの山に登られる方がおられましたら、
登山道から自身のご安全を確保された上で、1mでも2mでも登山道脇に目を配っていただけると幸いです。(※昨年も弥山で遭難・亡くなられた方は、登山道から20mのところにおられました)


そして、明日は我が身。
単独でも複数でも山に入る以上、リスクは常にあることを今一度噛み締めて…。
長くなりましたが、記憶のままに書きなぐったのでどうか乱文乱筆お許し下さい。

最後に5/5に御家族が行者環トンネル西口登山口へ設置された捜索情報提供案内を掲載しておきます。







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2012/05/03

奈良県内の山に登られる方へ

前回の取り上げた高槻の男性、未だ見つかっておりません。
先日4/29~30も再び弥山に入ってましたが、弥山小屋で聞いた特徴・目撃情報も錯綜してそうです。
4/30も県警のヘリが山域一帯を捜索していましたが、発見には至らずです。

昨日今日と悪天候でGWの登山も中休みになりましたが、週末に掛けては回復し、
再び登山日和になると思われます。

そこで、登られるご予定の方は今一度『兜の緒を締めて』登って下さい。
日帰りだから大丈夫、登り慣れた山だから大丈夫、と驕らず万が一の為に登山届を提出しましょう。

・大峰山系 → 登山届(PDF)

・その他山系 → 登山届(PDF)

※Adobe Readerのダウンロードはこちら


ちなみに、現在遭難されている男性は登山届と提出しておられません。
川合ルートから登られたとの憶測ですが、登山届の提出は無し。
家族の方から天川村へ通報が入っての発覚です。
警察の捜索も登山届を基に行われるので、登山届は登山口から張った“命綱”と同じです。
県内全ての登山口に登山届ポストは設置されていませんが、途中の警察署や交番等でも提出可能です。

【奈良県警 山岳遭難情報】

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